<VSTのススメ 2>



(AKAI VSTプラグイン・ソフトウェア シリーズより)
http://www.akaipro.com/jp/products/software/vst/vst_p_in.html

「AKAI QuadComp」
マルチバンドのコンプレッサー/エクスパンダーです。
四つの帯域で独立した調整が可能で、マスタリング用途に効果を発揮しそうです。


2.0 Review の「Comp]」で使ったネタに、ベースとシンセリードを重ねて試してみました。


オリジナル
MP3 (81KB)



AKAI
QuadComp

MP3 (81KB)

オリジナルはそのまま
ノーマライズ。



QuadCompは、コンプ後に
ノーマライズ。
波形を見るだけでも、音が太ったのがはっきりわかりまが、
実際に音を聞くと、マルチバンドの効果絶大です。

オリジナルはシンセ音が弱めなので、テーマは “シンセリードを持ち上げる” です。
作例は、低域のCompレベルを強めにしてあるんですが、ドラムのKick ・ ベースの
低音域ともに、そんなに貧弱にはなっていません。

実は今回、TimeWorksのComp]でも試してみたんですが、この素材に私の技術では
歯が立ちませんでした。
Comp]の名誉のために言っておきますが、ドラム + ベース のサブミックスにComp]を
当ててみたところ、非常に良好な結果が得られました。
Kick が引締まり、全体的にはQuadCompよりクリアーな印象です。


一通り使ってみて、QuadComp の反応の良さに感心しました。
Comp]や SONARのFX Comp の場合、パラメータの設定によっては、
再生開始後、一発目のアタックに対する反応が鈍くなる事があります。
始点の直前に “ダミー” のアタック音を入れておく事で回避できるんですが、
曲の途中では入れられませんので、困ってしまいます。
これは、ソフトComp 固有の問題なのか、私の使い方の問題なのか
わかりませんが、QuadComp では、そういった症状は出ませんでした。

操作性ですが、ツマミ類の感触が良くて、微調整もしやすいです。
4バンドトータルのOUTレベル調整が出来ないのが唯一の欠点という感じです。
それと見た目のサイズが、約 W 650×H 530ドットとかなり大き目なので、
もう少し小さくならないものかなと思います。

結論 → 買います。


「Pitch Right」
ピッチのズレを補正するエフェクターです。
ようするに、音痴を治すソフトですので、ココをご覧になってる皆さんには不要ですね。

キーとスケールを指示すると、そのスケールから外れた音を補正してくれます。
クロマチックを選択すると、スケールとは関係なく半音単位での補正になります。

“DecaBuddy” を使った後ではインパクトに欠けます。^^;


「Rotator」
ロータリー・スピーカーのシミュレーターです。
本来、ハモンド・オルガンと組み合わせて、よく使われていましたが、
実物を見たことのある人は、少ないんじゃないでしょうか。
JAZZ系のライブハウスなんかで、時々見る事があります。
箱の中でスピーカーがグルグル回るヤツです。

元の音色によっては、非常に面白い効果が現れます。
効果を強くして、ヘッドホンで聞いてると、脳ミソが変形しそうになります。


以上 CONSOLE と、 AKAI から発売された5種のVSTプラグインを紹介しましたが、
今後もVSTの面白いのが見つかれば、紹介していきます。