<BBS連動企画>

 「 リアルな音ネタ作り - mino 10/02-16:02No.86 」 より

mino さんから、「リアルなMIDIデータの制作」についてのご質問です。
私の出来る範囲でしか説明できませんが、参考にして下さい。

SONAR 2.0XL + SC-8820 をお使いですので、それを前提に進めます。


<ドラムス編>
まずは、リクエストのあったドラムパートからです。

「自分好みのドラム・セットを作る」
SONAR 2.0 では、強力なドラムエディタが使えます。
これをうまく使えば、ドラムセットの編成やデータの打ち込みが大変効率よく行えます。
ドラムエディタについては、こちら を見てください。
(わからないところがあれば、ご質問ください)

・ ドラム・インストゥルメントの調整

以下は、GS Advanced Editor をお使いなら、必要ないかもしれないのですが、
慣れればSONAR側で設定するほうが手っ取り早いのではないかと思います。

ドラムパートを制作していて、RideシンバルやHihat の音量が小さい、
と感じたことはないでしょうか。
ベロシティ値を最大の “127” にしても、他のCrashシンバルや、スネアの音に
負けてしまう、ということがあるのではないかと思います。
また、ドラムの各パーツの Pan を調整したり、スネア にだけ リバーブ をもっと
効かせたいとか、タム のピッチを調整する、といったことも、結構簡単に出来ます。

下図 (1) は、ドラムス・パートのイベントリストです。
ドラムの各パーツ(MIDI的には“ドラム・インストゥルメント”といいます)を個別に
調整するには、ドラム・パート(通常 10chですね)に “NRPN” を送信してやります。
(エクスクルーシブでもコントロールできますが、こちらの方が簡単です)

(図 1.)

新規作成で開いた状態なら真っ白ですから、キーボードのInsertキーを押すと、
適当に1行挿入されます。そこで、「種類」の欄 (赤線1)をダブルクリックすると、
下図(2)「イベントの種類」が開きますので、“NRPN” をマークして閉じます。

(図 2.)

(図 1.)に戻って、赤線(2)を見てください。 “26:59” となってます。
左辺の “26” は TVAレベル で、音量を調整するためのコントロールを現します。
右辺 は現在使われているドラムセットの中の、インストゥルメント番号で、
 “59” は、Rideシンバル2 のノート・ナンバーです。
つまりこの部分で、「Ride2 の音量を調整するよ」 ということを送信するわけです。
実際の入力に際しては、すべて英数半角文字で、左辺と右辺の間に “:”を入れて下さい。

次に音量を指定します。(赤線3)
図では、110:0 となってます。ここでは、左辺に 0 〜 127 の数値を書き込みます。
右辺はすべて “0” です。
(ドラム・パーツによっては、初期値で 127(最大) になっているものもあります)

(図1.)の3行目以降は、それぞれ青文字で書かれた通りです。
左辺の、 “24” はピッチ調整、“28” はPan、“29” はリバーブ です。
右辺はすべてドラムパーツのノート・ナンバーですから、音源の取説を参照して下さい。
先に入力した行をコピー&ペーストして、数字の部分だけを書き換えれば早いですね。
青文字の部分は、わかりやすいようにテキストとして挿入してあるだけですので、
あっても無くても結構です。ご自分でわかりやすいような注釈をいれておくと
いいかもしれませんね。

これらの設定をドラム・インストゥルメントすべてで行うのは、かなり手間ですが、
一度やってしまえば、後はそれを新規作成用のテンプレートとして使えますので、
がんばってやりましょう。


ここまでは、あまり必要なかったかも知れませんが、まあ知ってて損することは無いんで、
軽く流してください^^。


「補足」 図1.赤線(3)の欄に入力する数値について

・TVAレベル変更 → 0 〜 127 (初期値はドラム・インストゥにより、90〜127程度です)
・ピッチ変更 → デフォルト値 “64”です。音質劣化の面で、実際使えるのは、
  60〜70 位ではないでしょうか。
・Pan → “64”でセンター 。 0 が 最左、127 が 最右 です。ただし、ここで設定するPan は、
 ドラム全体のパン(SONARの各トラックでの設定=CC10)と相互に影響し合います。
 例えば、SONARのトラックウィンドウの設定で、ドラムパートのパンが右:30%の場合、
 ここの設定で、スネア1(ノートナンバー38)のパンを “64” にすると、スネア1は、
 右:30%となります。ここの設定で、“45” 位にすると、ほぼセンターになります。


<次回予告>
「実際の打ち込みテクニック」
あまり自信ありませんが、とにかくやってみます。

ご意見等は、 こちらへ


<MIDIデータの入力>

ドラムやギターのパートだけ作るというのも、なかなかイメージできなくて、
SC-8820 互換のデータということで、古い曲を引っ張り出してきました。
本来の目的である “リアルな音作り” にはほど遠いですが、
各種コントロール・データの入力方法の参考にはなると思います。

サンプル.cwb (バンドル・ファイルですが、MIDIデータのみです)
サンプル.MP3 (791KB)

SC-8850で作成した曲の一部抜粋です。Sysxデータも含まれていますが、
8820なら問題なく再生できると思います。

曲読み込み時に送信される Sysx は、GSリセットです。
MIDIポート1 に送信していますので、違っていれば変更して下さい。

読み込み後、各トラックの MIDI OUT はお使いの環境に合せて
適切に設定してください。

各トラックのコントロール・データには、テキストで注釈が挿入してありますので、
イベントリストで確認してみてください。


「ドラムス・パートについて」
ピアノロール・ウィンドウで、スネアの部分を見てください。
スネア1 とスネア2 とが同時に鳴っているのがわかると思います。
これは、スネアの音に変化を付けるためのものです。
スネア2 は、リムショット的な音ですので、アクセントを付けたい部分では、
スネア1 のベロシティを小さ目、スネア2 が大き目になっています。
スネア1/2 の各ベロシティ値を増減すれば、結構いろんなニュアンスが付けられます。
Rideシンバル1 と Rideベル も同様に同じタイミングで入力されています。

「ギター・パートについて」
特にないんですが、Gtr.2 b は、Gtr.2 a チョーキング時の補助トラックですね。
ご存知とは思いますが、ギターパート入力には必須です。


もし、参考になりそうな箇所がありましたら、追加説明いたしますので、
こちらへどうぞ。 BBS 第二弾 MIDI入力編