<Auto Pan> ( パンを左右に振る方法
- mino 10/05-19:57No.127 ) より
インサーション・エフェクトを使える、ローランド SCシリーズ用です。
SC-8850 で動作確認していますが、SC-8820
なら問題ないと思います。
SC-88Pro でも、多分大丈夫です。
「作例」
AutoPan.cwp
エフェクトの出力chは、1ch
です。
パンの波形・スピード・深さ
の各パラメータがSysxとして挿入されてます。
データ読み込み時と、再生終了後にGSリセットが入ってます。
1ch の 第1小節内に、EFX
の 「Auto Pan」 を使うための Sysx が5種類
挿入されています。
「実際の設定方法」
まず、すべてで共通の項目です。
先頭の “F0”
と、末尾 “F7” は、Sysxデータの “始まり” と、“終わり” を現します。
“F0” に続く、“41 10 42 12”
は、“ローランドのGS音源”
であることを現します。
従って、SC-8820に送信するSysxデータならば、基本的にこの部分はすべて同じです。
以下、今回のテーマ
「AutoPan」 に必要な設定です。
すべての数値が 16進数 であることに注意して下さい。
- EFX を使うチャンネルを指定する。

@ A
B が、チャンネルを指定するための “アドレス”
C は、EFX ON=01 / EFX OFF=00 になります。
CS
は、チェック・サム(こいつが厄介、後述)です。
ここで実際に変更する必要のあるのは、A と
CS です。
表1
Aの値 |
該当 Ch |
CS の数値 |
40 |
10ch |
5D |
41 |
1ch |
5C |
42 |
2ch |
5B |
43 |
3ch |
5A |
44 |
4ch |
59 |
45 |
5ch |
58 |
46 |
6ch |
57 |
47 |
7ch |
56 |
48 |
8ch |
55 |
49 |
9ch |
54 |
4A |
11ch |
53 |
4B |
12ch |
52 |
4C |
13ch |
51 |
4D |
14ch |
50 |
4E |
15ch |
4F |
4F |
16ch |
4E |
EFX ON にしたいチャンネルに応じて、表
A CS の数値をあてはめます。
作例 : 「AutoPan.cwp」 では、1Ch が
EFX ON になってますが、
5 Ch を EFX ON にする Sysx は・・・
F0 41 10 42 12 40 45 22 01 58
F7
となります。
EFX を OFF にする場合(曲の途中でエフェクトを切りたい時に必要)、
C の値を 00 にするのですが、ここでも CS
の変更が必要です。
C が 01 から 00 に “1”減った分、CS は“1”増やします。
1Ch の EFX を OFF にするには、“F0 41 10 42 12 40
41 22 00 5D F7”
5Ch の EFX を OFF にするには、“F0 41 10 42 12 40 45 22 00 59
F7”
を、エフェクトOFFにしたい位置に挿入します。
- EFX の 種類 「Auto Pan」 を指定する
数あるエフェクトの中から、Auto Pan を選ぶための Sysx
です。

@ A B が、EFX 選択のためのアドレス。
C D が、実際に Auto Pan を現す値です。
Auto Pan使用の際は、必ずこの Sysx を送信することになります。
例えば・・・
EFX 「Distortion」 の場合、 F0 41 10 42 12 40 03
00 01 11 2B F7
EFX 「GTR. Multi 1」 の場合、 F0 41 10 42 12 40 03 00 04 00 39 F7
となります。
- Auto Pan の波形を指定する。
左右への振れ方です。
“Sin” や “Tri” を選ぶと、右ー中央ー左
と滑らかなPanに、
“Sqr” や “Saw” は、右ー左 と急激な変化になります。

@ A
B は、波形選択のための “アドレス”
C
が、波形を現す値です。
表2
波形 |
Cの値 |
CS |
Tri |
00 |
40 |
Sqr |
01 |
39 |
Sin |
02 |
38 |
Saw1 |
03 |
37 |
Saw2 |
04 |
36 |
作例は Sin
波形です。
Sqr(矩形波)の場合は、“F0 41 10 42 12 40 03 03 01 39 F7” です。
- Pan Rate を指定する。
Pan の速さを指定します。

@ A
B は、Pan Rateを指定するための “アドレス”
C
が、スピードを現す値で、“00” 〜 “7F” までの任意の数値をあてはめます。
“00” が最小、 “7F” が最大です。
表3
Cの値 |
周期 |
CS |
00 |
0.05Hz |
39 |
13 |
1Hz |
26 |
30 |
2.45hz |
09 |
4F |
4Hz |
6A |
7F |
10Hz |
3A |
C=13 で 1Hz になり、1往復1秒となります。作例は、C=30
です。
音源の取説に、すべての値に対する換算表があると思います。
曲のテンポに合せる場合には、計算が必要ですね。
- Pan Depth を指定する。
揺れの深さを指定します。

@
A B は、Pan Depth を指定するための “アドレス”
C
が、深さを現す値で、“00” 〜 “7F” までの任意の数値をあてはめます。
表4
Cの値 |
CS |
00 |
38 |
20 |
18 |
40 |
78 |
60 |
58 |
7F |
39 |
- チェック・サム について
詳しくは音源の取説を見て頂くとして、簡易的な計算方法を説明します。
CS は、“00” 〜 “7F” (10進数の 0 〜 127)の数値でなければなりません。
表4
「PanDepth」 Cの値の “00” と “20” の場合、CS は それぞれ “38” “18” と
なってます。 “値” が “00” から “20”
に増えると、CSは “38” から“18”に減ります。
つまり Cの値と、CS
との合計が常に同じになればいいわけです。
ところが、値が “20” から “40” に増えた場合、CSは 「18 - 20 = -2」
と、
負の数値になってしまいますので、この場合は、80(10進数の128)をたして、
「18 - 20 + 80 = 78」
となります。
同様に、CS の数値が “7F”
を超えてしまう場合は、80を引きます。
どうでしょうか。minoさんなら、おわかりになると思いますが。
数値等、間違いがありましたら、BBS Auto
Pan へ。